機動戦士ガンダム シャア・アズナブル

シャア.bmp

ガンダムシリーズには多数の派生作品があり登場人物の事蹟も異なる場合があるが、ここでは特に断りのない限り、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』、『機動戦士Ζガンダム』及びアニメーション映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』における事蹟を基準に記す。

一年戦争以前から一年戦争前半までの経歴は、主にテレビアニメ『機動戦士ガンダム』の企画時に作られた設定や富野由悠季著の小説作品『機動戦士ガンダム』による設定を整理して、アニメ版の設定に組み込んだ『モビルスーツバリエーション』 (MSV) などの書籍による。なお、小説版は完全にパラレルワールドにあたるため、そのまま参考にすることはできない。また、角川書店発行の漫画雑誌「ガンダムエース」創刊号より連載されている安彦良和の漫画作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は映像作品ではないため、サンライズにおける公式設定とはいえないが、扱いとしては近年の公式設定に最も近いものとはいえる。ただし、アニメ版と設定が大きく異なる部分も多いため、注意が必要である。

一年戦争終結後(ア・バオア・クー脱出)からエゥーゴ結成時代の映像化も特にされておらず、『機動戦士Ζガンダム』にてワンカットが描かれたのみである。そのため従来は文字による設定や、小説版『機動戦士Ζガンダム』おける細部の描写で判断するしかなかったが。「THE ORIGIN」と同じくガンダムエース創刊号より連載されている北爪宏幸の漫画作品『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』は初めて本格的にこの期間を描いている。当然ながらアニメ作品ではないためサンライズにおける公式設定ではないが、扱いとしては公式設定に最も近いものとはいえる。その他、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズやプレイステーションゲーム『機動戦士Ζガンダム』などでも短いながら映像が描かれている。

第一次ネオ・ジオン抗争から第二次ネオ・ジオン抗争開戦以前においても映像化されておらず、また、準公式的な扱いをされている作品もないため、諸説入り乱れている。一応はプレイステーションゲーム『機動戦士Ζガンダム』や『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』などでも短いながら映像が描かれている。

機動戦士ガンダム シャア・アズナブル

一年戦争前半
宇宙世紀0079年1月、地球連邦政府との「一年戦争」が勃発。ドズル・ザビが率いる宇宙攻撃軍に所属し、モビルスーツのエースパイロットとして活躍。愛機初期量産型ザクII (型式番号:MS-06C) をパーソナルカラーである赤に塗装し、ルウム戦役ではたった一人で5隻もの戦艦を沈め、「シャアの五艘飛び」と賞賛されるとともに赤い彗星(あかいすいせい)の異名を得、その名は連邦軍の末端兵士にまで轟き恐怖の存在となる。またこの功績により中尉から少佐に特進する。

その後はドズルがルウム戦役で旗艦としていたムサイ級旗艦型軽巡洋艦ファルメルを受領し、モビルスーツ中隊長の任に付いた。乗機も量産型ザクII (型式番号:MS-06F) 、指揮官用ザクII (型式番号:MS-06S) とその時々の最新機種が与えられ、その性能を十分に引き出して「通常の三倍の速度」と恐れられた。

機動戦士ガンダム シャア・アズナブル

一年戦争後半(『機動戦士ガンダム』)
同年9月、サイド7で連邦軍が極秘にモビルスーツと新艦を開発しているとの情報をつかむ。偵察に出した部下が、ザクもろともガンダムに撃破(史上初となるモビルスーツ同士の戦闘)されると、自らコロニーに潜入しホワイトベースに避難し従軍していた妹のアルテイシア(セイラ)と再会、そして生涯のライバルとなるアムロ・レイのガンダムと初対決を繰り広げる。この時シャアは始終アムロを圧倒するものの、ガンダムの驚異的な性能の前に撃破することはかなわなかった。その後、ホワイトベースとガンダムの奪取もしくは破壊を命じられ、サイド7を脱出したホワイトベースを追跡。ホワイトベースの逃げ込んだ連邦軍宇宙要塞ルナツーへ潜入し破壊工作を行うなど、幾度となく攻撃を仕掛けるが失敗。多数の部下とザクを失う。しかし、ホワイトベースの大気圏突入を狙った奇襲の際、友軍を壊滅させられながらもジオン勢力下に降下させることに成功する。

地球降下後ガルマと共にホワイトベースの撃破を目指し、援助を約束するが、謀殺する。ガルマの死は彼を溺愛していたドズルの怒りを買い、ガルマを守れなかった責任により宇宙攻撃軍を罷免、左遷される。なお、この頃にはすでにキシリアからの使いが彼と接触している。

左遷され各地を転々としていた際、インドにてララァ・スンと出会い、ニュータイプの素質を見いだしたとされる。このことについては富野由悠季著の小説作品『密会 アムロとララァ』にて詳しく書かれている。シャアは、ララァの中に見出した母性に思慕の情を抱くと共に彼女を寵愛し、また優れたニュータイプである彼女を傍に置くことによって、自分の感覚を研ぎ澄ませようとした。しかし、後にシロッコに「ニュータイプのなりそこない」と言われたように(能力が劣っているという意味かどうかはわからないが)、アムロにニュータイプとしての能力に差をつけられるようになり、またララァもそのアムロとより強く惹かれ合うようになる。シャアはその事に対して嫉妬を覚え、後述するように、やがて三者は悲劇的な結末を迎えることになる。
同年11月、キシリア・ザビの手解きでキシリア率いる突撃機動軍に編入、大佐に昇進とともにマッドアングラー隊の司令に就任する。ベルファストおよび大西洋上でのホワイトベース隊との戦闘(シャア自身は攻撃には直接参加していない)の後、追尾し、連邦軍本部があるジャブローへの進入口を発見。この情報をもとにジオン軍はジャブローへ総攻撃を仕掛けるが、連邦軍とホワイトベース隊の反撃に遭い、失敗に終わる。シャア自身は潜入部隊をのせたアッガイ数機を率いて(目立つ赤いパーソナルカラーのズゴックに搭乗し、いつもの軍服のまま)ジャブローへと潜入。破壊活動を行っていた際に偶然セイラと二度目の再会を果たし、彼女に軍から離れるよう諭して別れる。この後連邦軍守備隊と交戦し彼らを圧倒するものの、アムロのガンダムとの戦闘で腕部を破壊され、バランサーに不具合が生じたため撤退。ガンダムのパイロットの成長に驚きながらジャブローを後にする。

同年12月、ホワイトベースを追ってザンジバルで地球を離脱。かつての部下ドレンの率いるキャメル艦隊と共にホワイトベースを挟撃しようとするが、同艦隊はシャアが駆けつける前に全滅。シャアのザンジバルも攻撃を開始するものの被弾し、撃破にはいたらなかった。サイド6においてアムロと初めて直接対面するが、シャアは彼がガンダムのパイロットである事に気づかなかった。12月末、テキサスコロニーでマ・クベとアムロの戦いを見る。マ・クベが敗れるのを見届けた後、アムロと交戦するも撤退する。この頃からニュータイプに覚醒しつつあるアムロに一方的にやられるようになる。またテキサスでは、セイラとも再会し、自分の形見として金塊を贈る。その後、ララァ・スンのモビルアーマー・エルメスと共に出撃するがアムロには敵わず、ララァは、ガンダムのビームサーベルからシャアをかばい戦死する。この出来事はシャアとアムロの大きな遺恨となり、その後の二人の人生と、彼らの間の葛藤を決定づける。

宇宙要塞ア・バオア・クーでの決戦では、彼もニュータイプとして覚醒してきたためかモビルアーマー・ジオングでガンダムと互角に戦い、相討ちになる。そして要塞内部でアムロと生身で戦うが駆けつけたセイラの説得中に爆発に巻き込まれ、戦いは中断される。そして、要塞から脱出しようとするキシリアを殺害、その後生死不明となる。劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』では、キシリア殺害後に敗残兵とともに要塞を脱出、グワジン級戦艦に乗り逃亡している。

機動戦士Ζガンダム シァア・アズナブル

グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)
宇宙世紀0087年3月、アポリーとロベルトを率いてリック・ディアスでサイド7・グリーン・ノア1に潜入し、ティターンズの新型モビルスーツガンダムMk-IIの奪取を図る。グリーン・ノア1の民間人であるカミーユ・ビダンの協力もあり奪取に成功。この事件が引き金となりエゥーゴとティターンズとの間で本格的な武力抗争が始まる(グリプス戦役)。

その後、サイド1・30バンチで、ティターンズのやり方に疑念を抱いてアーガマへ投降したエマ・シーンに対し、ティターンズの横暴を説く。また月面都市アンマンで、部下のキグナンからアクシズが地球圏に向かっていることを知らされる。

同年5月、連邦軍本部ジャブローへの攻撃に参加するため地球に降下するが、連邦本部はすでに移動していたため、目的が果たせず作戦は失敗。作戦後は、支援組織カラバと合流し地球からの離脱を図る。その中で、7年ぶりに再会したアムロの支援によって地球を離脱する。

同年8月、ティターンズのアポロ作戦阻止に動くが作戦は失敗。その後、エゥーゴの指導者であるブレックス・フォーラと共に議会に出席するが、政府の腐敗ぶりを目の当たりにし、失望する。さらにブレックスがティターンズに暗殺され、死の間際の彼からエゥーゴを託される。

同年10月、地球圏に帰還したアクシズと結盟するため、使節団の一員としてグワダンに赴くが、ハマーンの歪んだ教育を受け、傀儡君主と化したミネバの姿に憤慨し、確執が表面化して交渉は決裂する。

同年11月、衛星軌道上からカラバのキリマンジャロ基地への攻撃を支援する予定であったが、ヤザン・ゲーブルが率いるハンブラビ隊の奇襲を受け、地球に降下させられる。降下後、アウドムラをはじめとするカラバの攻撃隊と合流し、攻略戦の指揮を託される。作戦を成功させると、世論を味方につけるためカラバ・ルオ商会の協力を得てダカールの連邦議会を占拠。全世界にテレビ中継で演説を行う。自らの正体、即ちシャア・アズナブルであるとともにジオン・ズム・ダイクンの遺児である事を明らかにする。これにより自身の発言と行動に絶対なる説得力を与え、ティターンズの実態を暴き、エゥーゴの正当性を訴えた。この演説によって、議員だけでなく地球の一般市民、さらにはティターンズ内部にまでもティターンズに対する不信感が生まれ、戦局はエゥーゴに傾く。

宇宙世紀0088年2月、エゥーゴ・ティターンズ・アクシズの三つ巴の戦いとなる。最終局面、グリプス2(コロニーレーザー)内で、ハマーンのキュベレイとシロッコのジ・Oと激戦を繰り広げるが、グリプス2を守り抜きティターンズ艦隊を撃破する。しかし、その後のハマーンとの交戦の際、乗機である百式は大破し、戦艦の爆発に巻き込まれ、行方不明となる。

機動戦士ガンダム シャア・アズナブル

第一次ネオ・ジオン抗争及びそれ以降
この時期のシャア・アズナブルは行方が知られておらず、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』にも登場していないため、詳細は不明である。

ただ、グリプス戦役終結時に行方不明となってからその後の第一次ネオ・ジオン抗争終結までの間に、ネオ・ジオン軍内部のダイクン派を介してミネバ・ラオ・ザビを匿ったというのが通説である。このことは、プレイステーションゲーム『機動戦士Ζガンダム』において、わずか数秒ではあるが映像化されている。

第一次ネオ・ジオン抗争終結後、宇宙世紀0090年頃にはネオ・ジオンの再興を開始しており、軍備の増強を行っていた。この時期については草野直樹および日高誠之著のゲームブック『機動戦士ガンダム シャアの帰還』、長谷川裕一著の漫画作品『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』、近藤和久著の漫画作品『機動戦士ガンダム ジオンの再興』などで描かれているが、いずれも公式設定とは解釈が異なるようである。

『シャアの帰還』では、宇宙世紀0090年5月、旧ジオン公国軍においてランバ・ラルと並び称されたというダンジダン・ポジドン率いるネオ・ジオン残党軍と接触し掌握。ネオ・ジオンの再興を開始する。『ジオンの再興』や『新MS戦記』では宇宙世紀0092年、フレデリック・ブラウンら率いる旧ネオ・ジオンの地上残党軍に対し、宇宙に撤退するよう命令している。

機動戦士ガンダム シャア・アズナブル

第二次ネオ・ジオン抗争(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)
宇宙世紀0092年12月、新生ネオ・ジオンの総帥シャア・アズナブルとして再び姿を現し、幾度にも渡る戦争を経験しながら、旧態依然としてスペースノイドに弾圧を続ける地球連邦政府に対しての攻撃を示唆する。新生ネオ・ジオンは、旧ネオ・ジオン軍の残党や、ナナイ・ミゲル、ギュネイ・ガス等の優秀な士官を集め、小規模であるが精鋭ともいえる戦力を保持する。そして、しばらく戦火から遠ざかっていた連邦政府に対し、自らの艦艇をもって地球圏にスウィート・ウォーターの占拠を宣言する。

宇宙世紀0093年2月末、テレビのインタビューで連邦政府に事実上の宣戦布告をする。

同年3月、艦隊を率いてスウィート・ウォーターを出発。アムロ・レイやブライト・ノアが所属する連邦軍・外郭新興部隊「ロンド・ベル」の抵抗に遭うものの、自らモビルスーツ・サザビーで出撃し、小惑星5thルナを連邦軍本部所在地であるチベットのラサに落下させることに成功する。

その後、サイド1のロンデニオンにて連邦軍高官アデナウアー・パラヤと、武装解除を条件にアクシズを譲り受けるという偽の和平交渉を行うと、直ちにルナツーを強襲し配備されていた核兵器を奪取。そして、地球を核の冬にするべく、地球へのアクシズ落としを決行する。アクシズを守るため、自分を慕うクェス・パラヤも戦わせるなどロンド・ベルと必死の激戦を繰り広げる。

宇宙世紀0093年3月12日、νガンダムを駆るアムロと最後の決着をつけるべく戦うが敗れる。その際、脱出ポッドを捕まえられ、アクシズの落下を抑えるアムロと共にサイコフレームの光の中に消えていく。そしてアクシズは軌道を変え、作戦は失敗に終わる。その後の二人の行方は一切不明とされている

機動戦士ガンダム シャア・アズナブル

シャアを取り巻く人々

シャアはその性格もあって真の親友といえる間柄の人物は存在しなかった。ガルマ・ザビに対しては親友であるかのように装っていたがそれはザビ家への復讐の一手段に過ぎず、シャアはガルマをむしろ見下していた感がある。そのあまりに抜きんでた技量もあって、シャアのライバルたり得た(そしてシャアもそう認めた)のは、モビルスーツパイロットとしてはアムロ・レイ、指揮官としてはブライト・ノア、ニュータイプとしてはカミーユ・ビダンぐらいであった。

一方で、そのずば抜けた実力で部下からは絶対的な信頼と畏怖を受けており、後にはその出自も加わって絶大なカリスマ性をも身につけている。これによって第二次ネオ・ジオン抗争では多くの新生ネオ・ジオン兵士を魅了した。

シャアの女性関係に後々まで多大な影響を及ぼしたのは、明らかにララァ・スンである。彼女との出会いがシャアがニュータイプ主導の世界を志すようになった原点であり、また彼女の死がアムロとの確執の原点である。単なる女性関係だけではなく、人生の方向性を決定付けたのはララァに他ならない。エゥーゴ所属中、レコア・ロンドと一時期惹かれ合いはしたが、彼女の想いを受け止めることはできなかった。ハマーン・カーンとはニュータイプ同士として惹かれ合い、共にニュータイプ主導の世界を望んだが、その方針の違いが原因で決別してしまった。第二次ネオ・ジオン抗争時の副官ナナイ・ミゲルはシャアの愛人でもあったが、シャアの心にあったのはあくまでララァであった。そしてララァの面影を感じさせたクェス・パラヤに、彼女が弱冠13才の少女であるにも関わらず愛情を抱いたが、自分に父親代わりを求める彼女を最終的には拒否した。結局これらの女性の中で、最後まで生き残った(記録には無いが)のはナナイのみである。

シャアの子孫については、その後の時代を描いた作品において明らかにそうである人物は登場しない。『機動戦士Vガンダム』の主人公ウッソ・エヴィンの母の名がミューラ・ミゲルということから、その先祖をたどるとナナイ・ミゲルとシャアに行き着くのではないかとファンの間で言われたことがあるが、監督の富野由悠季は否定している。詳しくはウッソ・エヴィンの項目を参照されたい。

シャアが消息を絶ってからも彼の影響は少なからず残り、特にスペースノイドの間にはシャアを連邦の圧政に対抗した英雄と見なす傾向もあった。これを元にした富野の小説があり、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』ではシャアの思想を受け継ぐマフティー・ナビーユ・エリンなる人物が登場する。皮肉にもその正体はブライトの息子ハサウェイ・ノアであった。またシャアの時代から100年以上も後の時代を書いた『ガイア・ギア』には、彼の記憶をコピーした「メモリー・クローン」として作られたアフランシ・シャアという人物が登場する。



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